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高台寺文芸扇子展「言ノ葉の舞」

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開催概要

詩歌と伝統工芸が響きあう風雅な空間

 2013年9月、残暑の厳しさ残る京都高台寺にて「高台寺文芸扇子展 言ノ葉の舞」が開催されました。
 本展の会場となる高台寺は1606年、豊臣秀吉夫人ねねによって開創された由緒あるお寺です。いくつもの重要文化財を有するほか、国の史跡・名勝にも指定された日本庭園は京都の観光名所のなかでもとくに高い人気を誇ります。
 庭を通り拝観コースをたどっていくと、本堂のひとつ手前に位置する北書院が本展の展示会場となります。この52畳ほどの和室の三方の壁面と、展示台に用いた黒い床几の上に配するかたちで総数289点もの文芸扇子が並べられました。
 扇子の1点1点には、伊勢神宮の絵馬なども手がける日本画家・寺岡多佳氏と書家・菊池彩氏の手によって詩歌が装飾され、ひとつとして同じものはありません。京都の伝統工芸品でもある京せんすは、舞踊や茶道など格式高い日本文化とともに歴史を築いてきた品でもありますが、柔らかな筆づかいで現代作家の感性が綴られたその1本1本は、観る者に親しみを感じさせてくれるような優しげな印象の仕上がりとなりました。
 ふだんは清閑な雰囲気漂う北書院も、ずらりと並ぶ文芸扇子の華やかな共演により風雅な空間へと変貌を遂げ、開催初日にはさらなる京文化の華やぎを添えるため、芸妓さん舞妓さんを招いて日本舞踊も披露していただきました。
 京都観光の人気スポットである高台寺には、国内外から観光客や修学旅行生など連日多くの方が訪れています。本展への来場者数も、累計1万4738人を記録しました。
 旅行で京都を訪れる方は皆、ふだんよりいっそう「日本の魅力」を楽しみたいという気分が高まっています。それゆえ、いつもは詩歌に縁遠い生活を送っている方でも、高台寺や京せんすの醸しだす和の雰囲気にほだされ、自然と肩の力を抜いて詩歌芸術の魅力に歩み寄ることができたようです。
 本展は、京都という舞台を借りることで、現代の詩歌芸術と鑑賞者をつなぐ架け橋となれたのではないかと感じております。

 

アンケート結果

アンケート結果から

 会場では、来場者を対象にアンケート調査を実施し、計369件にのぼるご回答をいただきました。
 本展の来場者は、高台寺を訪れて初めて開催を知ったという一般観光客がたいへん多く、詩歌愛好家以外の方々にも広くアピールできる機会になったかと感じております。
 本展は、2012年の「高台寺文芸うちわ展 涼の言ノ葉」の好評を受けての開催でしたが、来年度からの堂宇一部建て替えのため、高台寺で文芸展を開催できる最後の機会でもありました。アンケート回答からは「歴史ある地での詩歌観賞は趣深い」「落ち着いた空間でゆっくり見ることができた」等、会場の風情ある雰囲気と合わせて企画を楽しんでいただけた様子が窺えました。
 扇子と詩歌の融合については「華やかで目を引く展示で面白かった」「美しく、見ているだけで優雅な気分」などの声が寄せられ、多くの方に眼福を得るひとときを過ごしていただけたようです。また、添えられた絵柄や柔らかな文字から、肩の力を抜いて気軽な気持ちで詩歌を楽しまれた方も多かったようで、それぞれ印象に残った作品を挙げての具体的なコメントが多数寄せられました。
 総じて、本展アンケートでは、「文芸のことはよく分からないが……」「こういう展示は初めてみるが……」といった前置きから始まる、多くの心温まるご感想を頂戴することができ、まことにありがたく感じております。これもひとえに、ご参加いただきました皆様のお陰と存じ、あらためて心より感謝申しあげます。

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