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トップページ > イベント情報 > 文芸友禅夢樹展「彩の言ノ葉2014」 開催報告
文芸友禅夢樹展「彩の言ノ葉2014」2014年3月21日(金・祝)〜23日(日)金沢城公園 河北門後援:金沢市、金沢市教育委員会、北國新聞社

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開催概要

友禅夢樹が鮮やかに彩る詩歌の情景

 2014年春分の日、春まだ遠き寒空のもと、金沢にて文芸友禅夢樹展「彩の言ノ葉2014」が開幕の日を迎えました。
 ようよう梅がほころび始めた兼六園からお堀通りをわたり、重要文化財である石川門口から金沢城公園へと入園すると、すぐ正面に見えてくるのが本展会場となる河北門です。2010年の再建時に特設された木製の階段を上って2階へと足を運ぶと、能登ヒバの香りが清々しくかおる櫓内部が本展の展示スペースとなります。
 鶯色の和紙であつらえた展示台を4列に配し、その上に総数159点もの文芸友禅夢樹が整然と並べられました。木地に加賀友禅の技法を用いて絵付けした友禅夢樹は石川ブランドにも認定されているものですが、その歴史はまだ浅く、これほどもの数の作品が一堂に会するのは金沢においても史上初のこととなりました。
 ずらりと並んだ友禅夢樹の一点一点には、現代作家たちによる詩歌作品が記されています。滑らかな白木に書家の手による墨痕が瑞々しく映え、詩歌の世界観に寄り添うように加賀友禅職人の肉筆になる絵柄が添えられています。言ノ葉が紡ぎだした情景に鮮やかな彩りが加わり、色紙や短冊とはまた違った味わい深さを感じさせてくれるような気品ある仕上がりとなりました。
 さらに、会場には春の金沢を表現したフラワーディスプレイが飾られるともに、伝統的な加賀友禅の振袖をまとった金沢美人が案内役を務めて会場に華を添えました。
 会期中は、初日こそ雪混じりだったものの二日目より回復し、ちょうど春恒例の夜のライトアップイベントも実施中だったこともあって金沢城公園、兼六園ともにいちだんと賑わい、本展にも多くの方々にお立ち寄りいただきました。
 昨年の文芸ガラス友禅展「彩の言ノ葉2013」に続き、このたびも金沢市、金沢市教育委員会、北國新聞社の後援を得て、広範にわたり告知できた結果、長からぬ会期ながらも来場者は2896人を数えることができました。
 何も知らずにふらりと河北門に立ち寄ったというような方々が、重厚な門のなかに突如広がる艶やかな友禅夢樹の彩りに思わず感嘆し、高い関心を示されるような場面も多く見られていました。さらに、美しい友禅の彩りに誘われて、鑑賞者は自然と詩歌の世界へと赴きます。老若男女訪れる会場のなかで、折敷を舞台とした詩歌世界に家族を思う人あり、旅先での情景を思い起こす人あり。皆それぞれにわが身を重ねられる一作を見いだせるところが現代詩歌の醍醐味でもあります。会場アンケートでも「同じような経験にぐっと来て、自然と涙がこぼれた」など、詩歌作品へのたくさんの共感の言葉が寄せられていました。
 加賀友禅の伝統と革新が生んだ友禅夢樹に彩られ、本展では、華やかな雰囲気のなかで片肘張らずに詩歌に親しむ、そんな優雅な春のひとときを楽しんでいただけたのではないかと感じております。

 

アンケート結果

アンケート結果から

 会場では、来場者を対象にアンケート調査を実施し、計296件のご回答をいただきました。
 このたびは3日間という短い会期ながら、たいへん多くの方にご来場いただき、まことにありがたく存じます。会期が祝日を含む連休日だったということもあり、本展の来場者には遠方からの観光客がとくに多く、皆さまの旅先のよい思い出としていただけたようでした。
 また、地元市民からの声では、「金沢に生まれ、このような素晴らしい文化に心より満足した」「金沢市民として、このような試みがもっと広まってほしいと思う」など、加賀の魅力をつよく再認識された方が多かったようです。その歴史の浅さゆえ、石川県内でもいまだ知る人ぞ知る存在の友禅夢樹ですが、本展での詩歌との融合という試みには多数の支持が寄せられており、今後のさらなる発展が期待されそうです。
 詩歌作品については、「日常の風景が連想され、身近に感じた」「現代的な句が面白く、印象深かった」など、さまざまなコメントが寄せられていました。難しい理屈ではなく、身近に感じて親しんでもらうことこそが、友禅も詩歌も文化継承へとつながっていきます。本展では、少なからずそのような機会をご提供できたのではないかと感じております。
 最後になりましたが、本展の成功はひとえにご参加いただきました皆さま方のおかげと存じ、あらためて心より感謝申しあげます。

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