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富岡製糸場文芸シルク展「絹の言ノ葉」2016年3月11日(金)〜15日(火)2016年3月17日(木)〜21日(月)富岡製糸場 東置繭所

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開催概要

世界遺産を彩る文芸シルクの華やぎ

 今年3月、まだ寒さの残る群馬県は富岡製糸場にて、文芸シルク展「絹の言ノ葉」が開催されました。
 富岡製糸場は、1872年(明治5年)に設立された日本初の本格的な器械製糸工場です。19世紀から20世紀にかけての製糸分野における技術交流と技術革新を示した産業施設として、2014年に世界産業遺産に認定されました。
 正門をくぐるとすぐ正面に見えてくるのが、赤レンガの外壁が印象的な東置繭所です。ここは生糸の原料となる繭をおもに貯蔵していた建物で、国宝にも指定されています。創業当初の官営期の頃の面影を残しつつも、現在では座繰り(昔ながらの製糸)が体験できるコーナーや資料パネル展示、シルク製品の販売コーナーなどに利用されています。この東置繭所の一角を仕切るかたちで、前期・後期あわせて333点もの文芸シルクスカーフが展示されました。
 いまや北関東一の観光名所となった富岡製糸場は、週末ごとに多くの観光客で賑わい、とりわけ展示会場となった東置繭所は、富岡製糸場を見学する順路のなかでも最も人が多く立ち寄る施設です。本展にも、前期・後期合わせて延べ1万人以上もの人々に足を運んでいただくことができました。
 上質な富岡シルクだけで制作されたスカーフの一点一点には、現代作家たちによる詩歌作品が記され、それぞれの言ノ葉をもとにしたイメージアートがプリントされています。このイメージアートは、プロのイラストレーター総勢63名によるものです。ベストセラー作家の本の装画を手掛けるなど、いずれも実績あるイラストレーター陣が詩歌の世界観を大切にしつつ、情緒豊かにスカーフを彩りました。スカーフとしては珍しい和柄や、絵画的なイラスト、または北欧のテキスタイルのようなデザインまで描かれ方はさまざまですが、布面を覆う瑞々しい色あいにシルク特有の光沢が加わり、紙に描いたものとは一味ちがう優美な雰囲気が醸しだされています。
 そのシルクアートは、まるで一筋のスポットライトを当てるかのように詩歌の情景を照らしだし、言ノ葉の印象をよりいっそう鮮烈に浮かびあがらせます。会場を訪れた来場者の多くは、そうした詩歌を目にして「ああ、なるほど」とあらためて理解を深め、ふたたびスカーフ全体をご覧になっていました。
 富岡製糸場の知名度からか、若い世代の来場者が目立った本展ですが、発色豊かなシルクの優美さが現代詩歌の感性と溶けあい、視覚的にも華やかな文芸展として世代を問わず鑑賞していただくことができたようです。
 富岡製糸場では百年以上もの長きにわたり、絹の製糸技術を高め、受け継いできました。世界遺産登録の要因ともなったその功績は、かつて一部の特権階級だけのものであった絹を世界中へと広め、生活や文化を豊かにする一端を担ったといわれています。
 本展においても、日本が世界に誇る美しい富岡シルクを纏うことで詩歌芸術のもつ豊かな魅力を引きだし、ご来場いただいた多くの方々に気軽に詩歌を楽しむひとときをご提供することができたのではないかと感じております。

上質な富岡シルクだけで制作されたスカーフの一点一点には、現代作家たちによる詩歌作品が記され、それぞれの言ノ葉をもとにしたイメージアートがプリントされています。

 

アンケート結果

アンケート結果から

 会場では来場者を対象にアンケート調査を実施し、計2239件のご回答をいただきました。
 このたびは前期・後期ともに盛況を呈し、延べ1万人以上もの来場者を数えることができました。遠方からの団体観光客や、春休みを利用して訪れた若者などの姿がとくに多く見られ、皆さまの旅のよい思い出としていただけたようです。
 ふだん絹製品には馴染みがないという若い世代からは、「絹のしっとりした美しさに感激した」「インテリアにもいいと思った」という声などが聞かれ、シルクの魅力を知るよい機会ともなったようでした。
 また、文芸とイメージアートの組み合わせについては、「作家さんが見た光景を共有できたように思う」「絵を見て心惹かれ、歌を読んでさらによいと思った」など、新たな文化の融合に多くのご賛同をいただきました。さらに個々の詩歌作品につきましても、「短い言葉の中にふるさとを見出した気がする」「訴えかけてくるような強い気持ちが伝わってきた」など、多くのコメントが寄せられています。
 本展は、世界遺産である富岡製糸場での文芸展という稀少な機会を通じて、日本の絹文化・文芸ともども未来へと継承する一助となれたのではないかと存じております。  これもひとえにご参加いただきました皆様のおかげと存じ、心より御礼申しあげます。

このたびは前期・後期ともに盛況を呈し、延べ1万人以上もの来場者を数えることができました。
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