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文芸木工展「樹の言ノ葉」2017年5月12日(金)〜14日(日)善光寺大本願 明照殿 開催報告

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開催概要

現代詩歌と木工花器の華やかなハーモニー

 青葉の美しい季節を迎えた5月の信州。長野市にある善光寺大本願にて、文芸木工展「樹の言ノ葉」が開催されました。
 大本願は善光寺の創建当初からその歴史をともにしてきた尼僧寺院で、代々の大本願住職である尼公上人が善光寺上人としてその伝統を継承してきました。現在は、五摂家のひとつである鷹司家から入山得度された第121世鷹司誓玉(たかつかさせいぎょく)大僧正が大本願住職を務められています。
 大本願は全国唯一の浄土宗尼僧寺院の大本山として、これまで長きにわたる深い信仰を集め、昭和37年には乳児院を、平成3年には特別養護老人ホームを設置して運営するなど、さまざまな角度から社会活動にも取り組んでいます。
 大本願には現在、2008年に改築された明照殿、法要の間である本誓殿である、寺宝を展示する宝物殿などが建てられており、このうち明照殿が今回の「樹の言ノ葉」の展示会場となりました。会場には108畳もの大広間に黒毛氈の展示台が配され、総数302点もの南木曾(なぎそ)ろくろ細工の花器がずらりと並べられました。
 直径約20㎝、高さ4㎝足らずの円盤のようなかたちが特徴的なこの花器は、木地師(きじし)と呼ばれる職人が厚い板をろくろで回転させながら鉋(かんな)で挽いて削り出したものです。木曾谷に育った天然木の一つひとつ異なる杢(もく)の表情や色合いが、見比べるほどに深い味わいを感じさせてくれます。そして、花器の表面には全国から出展された現代詩歌作品がプロの書家の墨跡をなぞるかたちで精緻に彫りつけられ、民芸品の美しさと詩歌芸術とがしっとりと調和した、世界にひとつだけの文芸木工品へと仕上げられました。
 また、詩歌の情景に彩りを添えるかのように、花器には花が生けられています。会場は色鮮やかな花々が咲き乱れ、華やいだ雰囲気となりました。
 「一生にいちどは善光寺参り」という言葉もあるように、いまなお多くの参拝客で賑わう善光寺の大本願にて開催された「樹の言ノ葉」は、3日間という短い会期でありながら延べ680人もの方々にお越しいただくことができました。また、会期中には鷹司誓玉大僧正にもご来場たまわり、作品をご鑑賞いただきました(開催報告書PDF参照)
 大本願の厳かさのなかで、来場者の方々はそれぞれじっくりと詩歌の言ノ葉に向きあい、時おり、その思いに深く共感して涙をにじませる方の姿も見られました。
 本展は、素朴な木のぬくもりを感じさせてくれる南木曾ろくろ細工、そこに生けられた色とりどりの花々、見る者の心に寄り添う詩歌の言ノ葉がひとつに融けあった、趣ある文芸展となったのではないかと存じております。

長野市にある善光寺大本願にて、文芸木工展「樹の言ノ葉」が開催されました。

アンケート結果

アンケート結果から

 会場では、来場者を対象にアンケート調査を実施し、計251件のご回答をいただきました。
 本展では、善光寺を訪れた多くの参拝者にお立ち寄りいただくことができました。また、善光寺周辺は小林一茶や松尾芭蕉をはじめ、数多くの句碑が立つ、詩歌に縁のある土地です。このため、近郊にお住いの詩歌愛好家に方々にも数多く足を運んでいただくことができました。
 アンケートでは、南木曾ろくろ細工と現代詩歌の組み合わせに関して「面白い花器と詩歌がうまくマッチしている」「長野の伝統工芸がこのように美しく魅力ある作品として活かされていて嬉しい」などのコメントが多数寄せられました。
 また、詩歌作品についてのご感想も多く、「母の日と重なり、感動の歌と生け花を見て母が思いだされて涙が出ました」「力作ばかりで身につまされる思いがした」など、さまざまな言葉をいただいております。
 このたびのアンケートでは、南木曾ろくろ細工の無垢な風情や会場を彩った生け花の美しさゆえか、詩歌に込められた心のありのままが、見る者の心にすっと染み入っていったかのような、深い共感のコメントが多く見られました。本展を通じて、詩歌の魅力を存分に伝えることができたのではないでしょうか。
 最後になりましたが、本展の成功はひとえにご参加くださいました皆様のおかげと存じ、心より感謝申しあげます。

善光寺を訪れた多くの参拝者にお立ち寄りいただくことができました。
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