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八雲塗文芸展「出雲の言ノ葉」2017年10月6日(金)〜8日(日)出雲大社 社務所 開催報告

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開催概要

出雲大社を彩る優雅な美の世界

 日ごとに秋色深まる10月初旬、島根県は出雲大社にて八雲塗文芸展「出雲の言ノ葉」が開催されました。
 出雲大社は、出雲地方にあまたある神社のなかでも別格の存在です。創建は神代の時代とされ、その経緯は『古事記』や『日本書紀』でも神話として伝えられています。御祭神の大国主大神があらゆる縁と運命を司る神様であることから、近年は「縁結びの神様」としても広く人気を集めるようになりました。
 勢溜と呼ばれる参道の入り口から鳥居をくぐって、樹齢数百年の松並木のあいだを進んでいくと、八雲山を背に立つ厳かな社殿が見えてきます。左手には、大国主大神と因幡の白兎のエピソードを再現した像があり、その奥に今回の「出雲の言ノ葉」の展示会場となった社務所が建っています。
 社務所の内部はふだん一般公開されていませんが、2階からの眺望は拝殿を間近に望むぜいたくな壮観を呈しています。さらに、壁には江戸時代前期の狩野派の絵師による「松竹梅図」がかかり、荘厳な雰囲気を醸しだしています。この広間に、4列の展示台を配して総数269点もの文芸八雲塗がずらりと並べられました。
 漆黒に塗りあげた手鏡には、全国から出展された現代詩歌が色漆で記され、それぞれ詩歌の世界観に合わせた絵柄が添えられています。とくに今回は出雲大社における初めての文芸展ということで、「出雲」を題材にした作品が少なからず出展されており、来場者の皆様も臨場感をもって楽しまれていたようです。
 八雲塗は、色漆で模様を描いた上から飴色の透き漆を何層にも塗り重ねて仕上げているのが特徴で、この透き漆は年月を経るごとに徐々に透明化していきます。すると、下に描かれた文字や絵柄が浮かびあがるように鮮やかに発色しはじめるのです。
 神々集うこの地に古くから伝わる、まるで神業のような漆の技法によって、文芸八雲塗は末永く伝えていきたい言ノ葉の芸術を装飾するにふさわしい淑やかで優美な仕上がりとなりました。使うほどにますます美しさを増す今回の手鏡は、大切な文芸作品を後世に残すうえで理想的な逸品となったのではないでしょうか。
 日本全国から八百万の神々が出雲に集う「神在月」は旧暦10月にあたり、本格的にさまざまな神事がおこなわれるのはまだ少し先になりますが、それでもこの秋の行楽シーズンは御利益を求めて大勢の人々が出雲大社を訪れます。
 そして、今回の「出雲の言ノ葉」にも観光ツアーの団体客から縁結び祈願の若い女性まで、幅広い世代の方々が足を運んでくださいました。また、開催にあたって地元の新聞で大きく取りあげられたこともあり、近郊に住む方々にも多くお越しいただくことができました。
 『古事記』によると、出雲は須佐之男命が、和歌の起源ともいえる


八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を


 の歌を詠んだ神話の地です。日本の詩歌はそれから長い年月のなかでも色褪せることなく、時代とともに進化を遂げながら受け継がれてきました。その詩歌芸術の在り方は、歳月とともに鮮やかさを増す八雲塗に通じるところがあるかもしれません。
 色漆がさらに美しさを増すように、詩歌芸術もさらなる発展を遂げていくことでしょう。本展に並んだ文芸八雲塗の数々は、その証のひとつなのかもしれません。

島根県は出雲大社にて八雲塗文芸展「出雲の言ノ葉」が開催されました。

アンケート結果

アンケート結果から

 会場では、来場者を対象にアンケート調査を実施し、計196件のご回答をいただきました。
 このたびは短い会期ながらもたいへん多くの方々にご来場いただき、まことにありがたく存じております。秋の行楽シーズンと重なったことや、新聞でも記事が掲載されたおかげで、幅広い世代の方々にお越しいただくことができました。
 本展は、出雲大社における初めての文芸展開催となりましたが、会場については「静かな雰囲気でゆっくりと見られてよかった」という声がたいへん多く挙がっていました。
 また、八雲塗の手鏡に詩歌を装飾するというこのたびの趣向について、「工芸品がより身近に感じられる」「絵柄も控えめながら、情景を想像させて風情がある」というご感想などがありました。
 詩歌1点1点についてのご感想も多く寄せられており、「思いが伝わり、胸が熱くなった」「作者の想いに深く共感した」などの言葉から、本展を通じて詩歌の魅力を存分に楽しむひとときを過ごしていただけたのではないかと感じております。
 本展の成功は、ひとえにご参加くださいました皆様のおかげでございます。あらためて心より御礼申しあげます。

秋の行楽シーズンと重なったことや、新聞でも記事が掲載されたおかげで、幅広い世代の方々にお越しいただくことができました。
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