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文芸秀衡塗展2018 みちのくの言ノ葉 2018年11月1日(木)~4日(日) 毛越寺 開山堂 開催報告

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開催概要

紅葉の毛越寺を彩る文芸秀衡塗の輝き

 秋深まり、紅葉の見頃を迎えた霜月の平泉。その名刹として名高い毛越寺では、この地に伝わる漆工芸である秀衡塗と現代詩歌作品を融合させた文芸秀衡塗展2018「みちのくの言ノ葉」が開催されました。
 2016年に同じく平泉の中尊寺にて催された「みちのくの言ノ葉」ですが、今回は世界文化遺産平泉におけるもうひとつの主要構成資産となる毛越寺が会場となりました。
 毛越寺は嘉祥3年(850)、中尊寺と同年に慈覚大師円仁によって創建されました。残念ながらたび重なる災禍により当時の建築は礎石を残すのみとなっていますが、発掘調査を経て旧観に復された浄土庭園は、平安時代の作庭技法や思想をいまに伝える貴重な庭園であり、仏国土を表した美しい景観は現代でも訪れた人々の目を楽しませています。また、平成元年(1989)には平安様式に則って本堂が再建され、本堂落慶30周年にあたる2018年は多彩な記念行事が展開されており、本展もまた開催の運びとなりました。
 展示会場となった開山堂は、ふだんは非公開の御堂ですが、ここを開放して艶やかな文芸秀衡塗230点がずらりと展示されました。堂内はほのかに漆の香りが漂い、大師像や如来像に見守られるように整然と作品が並んでいます。来場された地元の方々からも「初めて入った」とささやきあう声が聞かれ、その品格溢れる雰囲気に多くの人が高い関心をもって展示を鑑賞していました。
 奥州藤原氏の栄華をいまに伝える秀衡塗は、朱漆や金箔を用いて描く独特の絵柄が最大の特徴です。本展でも、飾り盆の縁を彩るように金の有職菱紋や草木花などが格調高く装飾されました。盆面には、深く艶やかな漆黒から浮かびあがるように美しい金文字で現代詩歌が記されています。言ノ葉そのものを引きたたせる贅沢な意匠が、現代詩歌に風格を与えつつも、一語一語に込められた想いと真摯に向きあえるような麗しい仕上がりとなりました。
 また、会期中は平泉で最もにぎわう行事のひとつとして知られ、奥州藤原氏の栄華を偲ぶ「秋の藤原まつり」が開かれており、町内各所で稚児行列やさまざまな郷土芸能などが披露され、ふだんよりもいっそうの賑わいを見せていました。毛越寺においても、重要無形民俗文化財である「延年の舞」をひと目見ようと多くの参拝者が訪れており、この好機を得て本展にもたくさんの方に足を運んでいただくことができました。
 奥州藤原氏とも交流のあった歌僧・西行法師や、「奥の細道」の旅で訪れた俳人・松尾芭蕉など、平泉は古くより文人たちにゆかりの深い土地でもあります。本展は、そんな平泉・毛越寺の佳節を祝す一興として、その歴史と美しい言ノ葉の融合を楽しめる風雅な文芸展となったのではないでしょうか。

東京日本橋にて「言ノ葉の灯2018」が開催されました。

アンケート結果

アンケート結果から

 本展では、毛越寺を訪れた参拝者の多くにお立ち寄りいただくことができ、まことにありがたいかぎりでございます。詩歌愛好家のみならず、幅広くその魅力をアピールすることができました。
 アンケートでは、秀衡塗と現代詩歌の組み合わせについて「上品で情緒もあり、調和していた」「塗りの美しさにつられて、つぎつぎと文字を追いたくなった」などの感想をお寄せいただき、文芸と工芸の相乗効果を存分に感じていただけたようでした。
 また、地元在住の方を中心に「奥州の文化を伝える秀衡塗の魅力を再認識した」という声も多く寄せられました。
 詩歌作品1点1点についてのご感想も多数いただいており、「作者の世代が窺えて共感できる」「人生の彩りを感じた」などさまざまなコメントが寄せられていました。
 本展では、来場された方それぞれに詩歌と伝統工芸の魅力に触れるひとときを楽しんでいただけたのではないかと感じております。
 最後になりましたが、本展の成功はひとえにご参加くださいました皆様のおかげと存じ、心より感謝申しあげます。

「作者の世代が窺えて共感できる」「人生の彩りを感じた」などさまざまなコメントが寄せられていました。
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