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宮島彫文芸展「安芸の言ノ葉」 2019年6月15日(金)~17日(月)大聖院 観音堂 開催報告

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開催概要

歴史ある大聖院を彩る文芸宮島彫の品格

 梅雨入り間近の2019年6月の宮島、大聖院にて宮島彫文芸展「安芸の言ノ葉」が開催されました。
 日本屈指の景勝地である安芸の宮島。そこにそびえたつ霊峰弥山のふもとに大聖院はあります。806年に弘法大師空海が弥山で修業し開基したと伝えられる、島内で最も格式高いお寺です。海辺に位置する嚴島神社から5分ほど小路を登っていくと、猛々しい金剛力士像が脇をかためる仁王門が見えてきます。そこから石段を上り、御成門をくぐるとすぐ右手にある大きな堂宇がこのたびの展示会場となった観音堂です。
 観音堂には御本尊である行基作の十一面観音菩薩のほか、ダライ・ラマ法王によって開眼された弥勒菩薩など貴重な仏像が安置されています。この厳かな堂内にぐるりと展示台を配し、総数160点もの文芸宮島彫が並べられました。
 宮島彫は、この地に伝わる繊細で趣豊かな木工芸です。古くから寺社建築のために数多くの宮大工や指物師が招かれてきた宮島では、その技術が芸術の域にまで高められ、独自の発展をとげてきました。本展では、トチの木の飾り盆に全国から出展された現代詩歌作品をすじ彫りし、熟練の彫刻技法によって写実的で雅味漂う挿画を添えています。木目の味わいを生かす漆の塗りや金彩を施した彫り目が詩歌にいっそうの品格を与え、まるでそこに込められた言霊を呼び起こすかのような瑞々しい仕上がりとなりました。
 今回の文芸宮島彫の制作を手がけたのは、宮島で45年にわたって宮島彫の伝統を守りつづけている伝統工芸士の広川和男さん。広川さんは会期中も毎日会場を訪れ、鑑賞者に自ら作品の解説をされていました(右写真上から3番目)。
 古くは平家一門や足利将軍家、豊臣秀吉や伊藤博文まで、時の権力者と深い関わりをもってきた霊験あらかたな名刹、大聖院。この由緒正しき会場にふさわしい品格ある木工芸と現代詩歌がみごとに調和しあい、本展はいままでにない趣深い文芸展となったのではないでしょうか。
 大聖院の観音堂は貴重な仏像のほかにも、美しい天井画や明治天皇御行在の「御所の間」など見どころが多数あり、ふだんから観光客の多いスポットです。そのため、修学旅行生や外国人観光客といった日ごろ詩歌に縁遠いと思われる人々の来場も多くありました。宮島彫の美しさに「ビューティフル!」とカメラを向ける外国人や、「場面が思い浮かぶよね」と同級生と語りあう修学旅行生の姿などが会期中を通してよく見られていました。
 また、本展では広島という土地柄、戦争や原爆を題材にとったものがいくつか出展されていました。そのような詩歌の前では皆考えさせられるような面持ちで鑑賞していたのがたいへん印象的でした。
 歴史を振りかえれば、平家一門や秀吉なども宮島を詣でた際、大聖院にてしばしば歌会を催していたと伝えられています。「安芸の言ノ葉」では、そんな歴史ある地にふさわしい詩歌作品が並び、観る者の心にさまざまなメッセージを届けることができたのではないかと思います。

大聖院 観音堂にて宮島彫文芸展「安芸の言ノ葉」が開催されました。

アンケート結果

アンケート結果から

 本展では、大聖院を訪れた多くの参拝者にお立ち寄りいただくことができ、詩歌愛好家のみならず、たくさんの人に広くその魅力をアピールすることができました。
 会場にて実施したアンケートをみると、「会場の雰囲気が作品と合っていた」「お堂のなかでの展覧会というのがいい。雨音もまた風流」など、ほかにはない展覧会場の空気感を楽しんでいただいた方が多かったようです。
 また、宮島彫については「デザインと文芸がマッチしていてきれい」「宮島彫が美しくて歌を引きたてている」といった言葉が多く、工芸と文芸の相乗効果を存分に感じていただけたようでした。
 詩歌作品についてのご感想も多く寄せられ、「現代的で軽快な歌も多く、印象が変わった」「広島が被爆地であったこと、その悲しみがあらためて伝わってきた」など、さまざまなコメントをいただいております。
 本展においても、来場された方それぞれに詩歌と伝統工芸の魅力に触れるひとときを味わっていただき、よき旅の思い出としていただけたのではないかと感じております。
 最後になりましたが、本展の成功はひとえにご参加くださいました皆様のおかげと存じ、心より感謝申しあげます。

「デザインと文芸がマッチしていてきれい」「宮島彫が美しくて歌を引きたてている」「現代的で軽快な歌も多く、印象が変わった」「広島が被爆地であったこと、その悲しみがあらためて伝わってきた」など、さまざまなコメントが寄せられました。
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